私の青年期

2022年11月に30歳になりました。焦っています。

残り97日 -夏の休日-

これは今年で30歳になる私が、20代を終える焦りで始めたブログです。
30歳までの100日間、毎日30分は時間を取って書いてみようと思います。

日常を書くこと

これまでの3日で導入みたいなことを書いてきたので、そろそろ本題に入るべきだ。これまでの人生を整理するために、青年期にあったことや好きなものについて書いていきたい。

ところが、今日はちょっと用事があって、なかなかブログの内容を考える時間が取れなかった。まとまりのあることを書ける気がしない。

なので、今回は一旦、日記を書いてみる。それはそれでいいかなと思う。何てことない日常をあえて記述することで、改めて分かるものもあるだろう。

あの出来事が印象的だった、何と何が一番好きだ、といった風に、自分にもたらした影響が大きいものを切り抜いて文章にする。
それも必要だが、もしかするとそうやって直接に言及しなくとも、日々を描くことによって、言葉にすることの難しい空気感を伝えられるかもしれない。そこからも自分の嗜好や性質が伝わるかもしれない。
いつか読み返すときに、日常の些細な出来事の記録が、当時の感覚をよみがえらせるきっかけになったりする。

イン・ザ・プール

今日は市営の屋外プールに彼女と出かけた。お互いの家からも近く、11:30にプールで待ち合わせをした。以前から狙っていたスポットで、案の定落ち着いた雰囲気の、良い意味で地味なプールだった。
夏は楽しまなければいけない。そういった使命感というか義務感を、自分も彼女も持っている。
空は少し曇がかっていて暑すぎず、水温もちょうどよかった。プール日和だった。29歳になっても「プール日和」という言葉は、大抵の名言より心に響く。

クロールで久しぶりに50mのレーンに挑戦した。苦しくなってきたな、と顔を上げ前を向くと、あとちょうど半分あったので、すぐに諦め足を着いた。
レーンを出て、彼女のところに戻り、クロールきついわ、と告げた。29歳、肺活量は衰え、諦めが早くなり、見栄も張らない。
それからスタンドでプリッツを食べたり、身体に登ってくるアリを振り落としたりしながら、ゆったりと時間を過ごした。
平泳ぎや背泳ぎでは50m泳ぎ切れ、面目を保った。

海やプールでぷかぷかと浮かんで、流れていく雲を眺め、水中の音を聞くのが好きだ。
彼女に、ぷかりてえな、と告げ、水中に浮くと、脚を持って押してくれた。途中にいる親子やカップルをすり抜けるように、彼女がリヤカーのように操縦をしてくれた。50mのプールを端から端まで押してもらった。
お返しに押してあげるよ、と告げたが、彼女は笑ってしまってなかなか浮かべなかった。先ほどの浮いている私の姿が少し怪しかったようで、おかしなやつに見られないか、と気にしていた。
結局50m押し終わると彼女も、最高やな!と言っていた。分かってもらえて良かった。

街を散策

プールを出て、昼ご飯は中華でも食べるかあ、と歩いていると、馬肉の店を見つけた。
馬肉ユッケ丼。中華は当然美味いだろうが、馬肉ユッケ丼のポテンシャルはいかんせん気になる。そう合意に至り、馬肉料理屋へ入って、私はウニのせ馬肉ユッケ丼を食べた。上品だった。
ビールも飲んだ。昼のビールは最高だな、と言い合う。日本全国、ありとあらゆるところで、全員が同じことを言っていると思う。

その後、意識が高そうなフランス料理店がプリンを売っていたので冷やかし気分で買ってみたり、雑誌に載っていた良い雰囲気の古書店で、裸のランチの文庫を買ったりした。
古書店では背表紙を眺めながら、あれもこれも読んでいない、これは持っているけど読んでいない、これは読んだけど内容をほぼ覚えていない、と何だかそわそわした。

馬肉ユッケ丼は原価の高さからか、あまり量がなかったので、酔った勢いでマクドナルドでポテトとナゲットを買って、彼女の家に帰った。
家に着いた頃には、別に食べたい気分でもなくなっていた。

日が暮れた

少し昼寝をして、ポテトとナゲットを食べると、何でこんなに美味いのか、と驚いた。夏の夕方、冷房の効いた部屋で食べるファストフードは冷めていても美味しい。その勢いでプリンも食べた。

晩ご飯に行って、その後レイトショーでホラー映画「女神の継承」を観よう、と家を出る。本当は彼女の誕生日プレゼントを買いに行く予定だったが、プールとビールの後に、歩き回る気力はもうなかった。

海鮮サラダとタコの唐揚げ

晩ご飯は、以前にも行ったことのある海鮮の居酒屋で、とにかく美味しい。
まず海鮮サラダを頼んだ。
小学生の給食に出た頃から、海鮮サラダには敵意を持っている。あの怪しいピンクの海藻とわかめの磯臭さを、DNAが拒絶をしていた。
しかし、30歳になるのだし、改めて海鮮サラダに向き合うときだと決意し、注文した。するとマグロや白身魚の刺身、トマトなんかも入っていて非常に美味しい。海鮮サラダを克服した、そう思った。
だが、こう書いていて小学生の頃に出たのは「海藻サラダ」で「海鮮サラダ」ではないと気付いたので、「海藻サラダ」にはまだ警戒をしていく。

タコの唐揚げも頼んだ。
彼女にこのブログのことを告げると、お互いの20代前半の生き方についての話になった。理想の生き方とのギャップ、そもそも理想って何だろう、といったことを話した。どう生きればいいのか、と。
同時に、タコの唐揚げを口に入れる度に、お互いがいちいち美味さに驚いていた。最後まで驚きは続いた。なんでこんなにタコの唐揚げは美味いのか。何か味付けがしてあるのか?ここのはタコが違うのか?など。
おれ多分普通の唐揚げよりタコの方が好きだな、と言うと彼女に、それはない、と言われた。自分も酔っていた自覚があったので、たしかに言い過ぎたかもしれない、と思った。

酒に弱い私たちは、プールの疲れもあいまって、この後レイトショーなんて観れない!と、映画は諦めることにした。
そしてまた彼女の家に戻り、テレビで本当にあった怖い話を観て、はい吾郎さん!で笑った。

そんな1日だった。
夏もあと何週間かで終わる。プールにまた行きたい、今度は友達も誘おう、と思った。