私の青年期

2022年11月に30歳になりました。焦っています。

31才まで残り52日 -写真-

自分が撮った写真は、その瞬間の暑さや寒さ、においや音、そういった感覚を思い起こさせる装置のように働く。その日の記憶が、時系列を無視して、波のように一度に押し寄せる。

f:id:eiraku_san:20231005021430j:image

自分が撮った写真は良く見える。前後の記憶と紐付いているから、写っているものの他にも色々な意味を含んでいる。

この写真は、キャンプの帰りに何も知らずに行き着いた、とある牧場だ。迷い込んだように車を止めるも、ここが何処なのか、この牧場はどういった場所なのか、何も分からなかった。すると、水色の車から親子が出てきた。CMのような光景だね、と思わず友人に共感を求めてしまった。

夕暮れの空と、夏の終わりの心地良い風、緑のにおい。そして忘れてはいけない牛のにおい。穏やかな光景を目にしながら、何故ここに自分たちはいるんだろうかという不思議さも感じていた。

自分から見れば、そういった記憶や感覚を、この写真は備えている。

 

 

とあるアーティストのアルバムジャケットに、素朴で、どこか寂しげな写真が使われていた。モノクロで、木とベンチが写っていて、夕方のようだった。その良さというか意味合いが、自分には分からなかった。アルバムの内容に合っているのかも。だが、この写真は彼にとって何か大切な意味を含んでいるのだろうとは思った。

その写真について少し考えていると、「もし自分がこの写真を撮影したとしたら、そこはどんな場所で、その日はどんな一日だったろう」と思った。自分が撮ったものとして写真を見ると、カメラを持った自分の手が見え、視線を移すとフレームの外の風景が見えた。暗くなり始めた夕空の下、人がいない静かな広場の、木とベンチ。

そう想像すると、その写真の持つ意味合いが少し分かるようだった。撮影したときの気分、空気感が。

 

そうか、こういう写真の見方があるんだな。夜中3時に良い学びを得ました。

おやすみ。

f:id:eiraku_san:20231005031148j:image